八寸五段重箱とニ種類の蓋、重箱を置く重䑓、漆塗りです。使用は江戸後期〜明治でしょうか?
重箱は外側は黒漆、金縁で内側は朱漆、ニ枚の蓋は表側は黒漆、裏側には金閣寺と銀閣寺の金の蒔絵が。
重䑓は重箱と同じ配色、重箱が置かれる時には取り除かれる飾り座布団が敷かれています。
布袋入りの漆器は赤褐色(せっかっしょく)塗りの共箱に仕舞われ、前面蓋は上下の溝に嵌め込み式、共箱角には銅の角金具。
蓋の裏に、一方に「金縁黒内朱之重箱拾個之内」
他方に「金縁黒内朱之重䑓」の道具名などと、屋号?の「山形に三 竹保」が。
共箱は汚れやキズ、重䑓共箱の天板にヒビが、ガタツキや変形はほぼなく、経年で生じた蓋の若干反りで、開け閉めは少々やりづらさが。布袋は経年で変色、シミが目立ち、重䑓袋の一部に破れ。
漆器の状態は次の通りですが、見落としがあればご容赦下さい。
【重䑓】
画像写真6、7に見られるように隅に塗りの傷みが。その他に目立つ塗りの傷みや基材のヒビなどはほぼなく、飾り座布団の傷みもほぼなし。
【重箱蓋】
画像写真9に見られるように銀閣寺の蒔絵にヒビ、蓋表の基材の僅かな盛上と関連が?その他に目立つ塗りの傷みや基材のヒビなどはほぼなし。
【重箱身】
1個に画像写真19、20に見られるように底の基材にクラック。これ以外に黒・朱漆塗りに目立つ塗りの傷みや基材のヒビなどはほぼなし。
大きさ(㌢)重さ(㌘)はおよそ次の通りです。
重箱の大きさに差はほぼなく選んだ1個の数値。
【重箱身】
外寸:縦24.3、横22.8、高7.7/
内寸:縦22.6、横21.1、深6.5/
重さ:平均461(450〜471)/
【重箱蓋】
外寸:縦24.3、横22.8、厚1.4/
重さ:343、348/
【重䑓】
外寸:縦28.9、横28.9、高9.5/
重さ:645(飾り座布団含)/
【重箱共箱】
外寸:横28.2、奥27.5、高61.2/
重さ:約5.7㌕(重箱含)/
【重䑓共箱】
外寸:横33.5、奥34.0、高16.5/
重さ:約2.0㌕(重䑓含)/
画像写真6、7の塗りの傷み、19、20のクラックなどは漆で修繕できるかも分かりません。専門店にご相談下さい。
今では重箱と重䑓を組合せることは滅多にないと思います。五段重ねでなくても、正月のおせち料理などにお使いになると、厳かな雰囲気の空間になるのでは。
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