『私聚百因縁集』(シジュ ヒャク インネンシュウ)
編者:愚勧住信
上村次郎右衛門、承応ニ年 (1653年)
全三巻:巻一~三 巻四~六 巻七~九
和本 26㎝ x 18.5cm 経年並ヨレ 題箋スレ、一部に虫喰い等があります。
鎌倉時代の説話集。愚勧住信(ぐかんじゅうしん)編。1257年(正嘉1)成立。9巻。編者は常陸在住の浄土宗の僧で本書成立のときには48歳。序には、〈マサニ知ルベシ、万法ノ由来・諸法ノ因縁、得法ノ門・開悟ノ道ナリ〉すなわち〈因縁〉を知ることこそ悟りへの道であると説かれ、諸経論の文を集めた〈百法要文〉ともいうべきものに〈因縁〉説話を増補したものが本書であると説かれる。〈天竺〉〈唐土〉〈和朝〉の3部より成る。〈天竺〉は巻一~四で73話、〈唐土〉は巻五・六で36話、〈和朝〉は巻七~九で38話、計147話。《発心集》《注好選集》などを資料として説話が構成されている。
出典:平凡社「改訂新版 世界大百科事典」
参考:吉田幸一 編纂・発行『私聚百因縁集』上・中・下 、 古典文庫 第265冊 第267冊 第272冊、影印