兵庫のグラフィスム、木村二朗先生は昭和11年4月1日に兵庫生まれ、高校以来、様々な美術展でその都度といっていいほど入選、受賞を重ね、学芸員、美術関係者に高い評価を受けながらあくまでも余技として本業にはされませんでした。しかしながらご覧の通り、比類なき圧倒的な才能を認めざるを得ない作品群で、具体の本拠地に程近いエリアにおいて知られざる前衛の奇才ともいえます。
非具象、実際のものを模倣せず純粋な図形、パターンで構成。どれもが素材、技法、構造が主従的関係ではなく自由な作風でありながら事前の習作、構想はかなり念入りに準備して作りげられ見栄えとは相反した緻密な準備から始められてます。
封蝋的マチエル、その造形、出来栄えは邦人というよりドイツ作家に近いものでございます。
どれもが本当に魅力的であり銀座の百貨店美術部でもし個展をされたらさぞたくさん売れたはずでしょう。
本業ではないことで一般的に売絵で画廊や美術部にふりまわされる作家と違い、一枚一枚に構想、作画、修正にいくらでも時間を味方にできるのが強みの完璧な仕上がりです。
木村先生は美術団体展や公募展など凌ぎを削る場、本チャンの画風は前衛表現で、本作のような外国風景は一般来場者にお見せしたい個展向け作風です。マチエルは前衛表現同様封蝋的なマチエルで背景や空の部分などは削り磨く丹念な質感で見ごたえ抜群で静謐で神聖ささえ感じる作品です。作品は作者のアトリエで保管されておりました美品です。
木枠に張った作品のみで額はございません。
木村二朗
外国の街角
8号油彩 37.9×45.5cm
額なし
右下サインあり。
 
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