松岡良治の1979年製のハウザーモデルです。(ナンバー200)
サイドバックは単板ハカランダ、表板は霜降りの極上単板ドイツ松、指板は真っ黒なエボニーの最高峰スペックです。
とくにハカランダは黒々とした追い柾目の極上材で、このレベルのハカランダギターは今ではもう100万円でも製作は難しいのではないでしょうか?
松岡良治のギターは1970年代の初級中級向けのラミレスモデルが有名ですが、1960年代はハウザーモデルの本格手工品も得意として作っていました。
また、1980年頃以降の松岡ギターは日本の景気変動や中国生産などが徐々に導入されていきますので(YAMAHAなどもそうですが)、ダウングレードしていきます。
そのため、松岡では1970年代後半ぎりぎりが最も全盛期で完成されたギターを作っていたと考える人も多いようです。
その証左として、この頃にしかない少量生産の上級機シリーズが松岡には存在しました。
当出品ギターはまさにその超レアなシリーズの中の最高峰ですので、松岡良治の全時代を通しての最高峰モデルと言うにふさわしいと思います。
もし松岡良治の博物館があるとすれば、一番最後のメインに飾られるギターであることは間違いなさそうです。
◾️サウンド
音のレベルは桜井正毅のハカランダと総合的には同レベルと感じます。
桜井ハカランダとの比較動画になります。最初が松岡です。
https://youtu.be/ziFPZoVIgb8?si=_03R5rSGNd6iMQYK
全体的な音量は桜井に分があるように感じますが、松岡は音にこもりがなく音抜けが良いです。クリアさ、分離の良さ、粒立ちの良さは松岡が優れています。桜井は少しモコモコと鳴るきらいがあります。
サステインは松岡ギターの方が格段に長いです。音が減衰したなと感じるのに体感で一秒弱くらい違いがあります。
力木は7本のバーがありクロージングバーが無いので、ハウザー1世のリョベートタイプを意識しているかと思われます。
◾️コンディション
ネックはストレート、弦高は6〜1弦で4mm〜3mmです。
フレットは95%以上残っていると見受けられます。
割れもなくビンテージとしては超美品の部類です。
弦長は651mmで標準ですが、ナット幅はやや狭めの50.8mm(標準は52mm)ですので、日本人にはかなり弾きやすいです。
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