図柄表：イエスの誕生 図柄裏：受胎告知 発行地：ドイツ 発行年：1984年 銘文表：WETHNACHTEN 1984 銘文裏：- 額　面：メダル 材　質：銀.900 直　径：33 mm 重　量：- 備　考：クリスマスメダル 大天使ガブリエルからイエスの懐妊を告げられる聖母マリアを描いた受胎告知の場面。反対面はイエス・キリストの誕生を描いており、赤子のイエスを抱える聖母マリアと東方の三賢人の姿が窺える。キリスト教の名場面を細かい描写でもって再現したクリスマス用記念銀メダル。WETHNACHTENとはドイツ語で、クリスマスの意である。 ちなみにイエスとは、ヤーウェは救うの意である。彼はダヴィデ王の末裔で、大工を営んでいたナザレのヨセフの息子だった。当初はヨハネ教団の副官だったが、ヨハネがサロメの怒りを買って処刑されたため、後継者として筆頭役を引き継いだ。キリスト教とはイエスをメシア（救世主）と信じる宗教で、彼の弟子たちによって形成された。イエス自身がキリスト教という宗教を開いたわけではなく、教会の設立はあくまでもイエスの教えを継いだ弟子たちによるものである 。 イエスは前4年頃の誕生が有力視されている。12月を誕生月とする根拠は、大天使ガブリエルがマリアへ受胎告知を行った際の季節が春と読み取れる描画があることに由来する。そこから子どもが産まれる約10ヶ月を考慮し、12月と推測されら。ロシアでは1月6日が生誕日とされている。宗派によって誕生日が異なるほどイエスの誕生日は曖昧で、実は形式的なものである。 ルカの福音書には、イエスが生まれた時の状況が描かれている。そこでは、身重のマリアがローマ政府から課せられた戸籍登録のためにベツレヘムに向かう描画がある。住民登録は出身地で行う必要があるたね、彼女が夫ヨセフの出身地ベツレヘムに向かうところまでは分かるが、移動が困難で危険な冬季には決して行われなかった。また、ルカの福音書2章8節にこのような描写がある。 「さて、この土地に羊飼いたちが野宿で夜番をしながら羊の群れを見守っていた」 羊飼いの群れが野営する季節は、4～10月の間。それ以降は寒い上、雨季であることから彼らは野営をしない。この羊飼いたちがいた描写を考慮すると、イエスの誕生が冬ではなかったことが分かる。